外資系2.0という生き方

世界に貢献できる日本人ビジネスパーソンのつくりかた

「世界にこんなにたくさん国があるのになぜ日本じゃなきゃいけないの!? 」外資系2.0 の先を行く起業家:永田公平さんから学ぶ

気に入ってしまったフレーズなので、タイトルに続いてもう一度言います。

 

世界にこんなにたくさん国があるのになぜ日本じゃなきゃいけないの!?

 

2018年の年の瀬、平成最後の大晦日12月31日の朝日新聞の朝刊1面をなんとなく眺めていて突然このフレーズが目に入りました。

 

この言葉を発したご本人は

永田公平さんマレーシア・クアラルンプール在住の起業家

 1998年生まれ現在20歳ながら現地でシェアハウスを経営されています。

記事には、ご自身も同シェアハウスに住みながら、新企業立案や投資家集めに尽力されている様子が描かれていました。

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朝日新聞https://www.asahi.com/articles/DA3S13833871.html

ついつい記事に引き込まれて読み進めて、世の中には「外資系2.0」の遥か先のマインドを持って世界に飛び出した日本人の若者がいるんだなぁ~と感激しました。

 

平成という時代が終わろうとしているこの日本、迷っている若者も多いなかひとつの生き方のモデルケースとなる永田公平さんを是非ご紹介したいと思います。

 

永田公平さんの生き様

 記事によると、永田さんは日本の社会にどこか違和感を覚え高校卒業さえも待たずに海外に飛び出しそのまま起業されたとのこと。

 

海外では時々聞くようなストーリーではありながら、日本の常識では考えられない規格外の行動。いや~日本の社会からもこんな若者が出てくるとは。その背景に俄然興味が沸きます。

 

高校生の頃から、友人たちの話題といえばテレビの話ばかりで誰もが当然のように進学~就職という人生のレールを前提としている社会に疑問を持ち、起業というお考えがあったそうです。決め手となったのは進路指導の先生に「起業したいと」真剣に伝えたら、鼻で笑われたことだとか…。

 

同級生たちや先生の反応は「古い日本の社会観」で、世界の流れからはズレていると直感的に感じられたのでしょう。

 

結局高校卒業すら待てずに海外に飛び出されました。しかもそれまで海外に親せきや知り合い等もいなくて何のバックグラウンドもなく、しかも英語すらほとんど話せない状態での挑戦だったというから驚きです。

 

放浪の末マレーシアにチャンスを見出し、誰に頼ることもなくクラウドファンディングで資金を集め、シェアハウス事業の起業に至るまで数年間・・・その挑戦はしっかりと形を残しています。

 

ご本人としてはおそらく成功にはほど遠くまだまだこれからなのでしょうが、この短期間でここまでの結果を出されていること、並みのことではありません。

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永田公平さんから学ぶべきこと

 

実は私自身昨年永田さんご本人とクアラルンプールでお会いする機会がありました。なので新聞記事を目にして二度びっくりだったのですが…。

 

ご本人を知らずにこの記事だけを読むと、その挑戦のストーリーから、永田さんが日本人離れしたトガった人物である印象を受けるかもしれませんが、ご本人は至って穏やかで明るい好青年です。

 

記事の中でも、ご本人自身が「勉強も運動もパッとしなかった・・・」と学生時代を振り返っていらっしゃるようですし、恐らく普通の高校生と比べて特別な人種ではなかったはずだと思います。

 

そんな永田さんが偉業を成し遂げられた背景には、我々が学ぶべき要素がたくさんあるのではと感じました。特に彼が海外生活から得たものは我々にとって大きなヒントになると思います。

 

(参考:海外のエグゼクティブのライフスタイルから学ぶ)

bermuda2006.hatenadiary.jp

 

1.海外をみて自分のライフスタイルを見直すという視点

 

まず、永田さんは日本の社会に居ながらそれに対して疑問を持つ視点をお持ちです。

これはズバリ、日本以外の社会を見る機会があったからでしょう。実際ご本人の人生を変えたのは家族旅行で訪れたシンガポールだったそうです。現地ではお父様の友人のビジネスパーソンをたまたま訪問したことで成功している起業家のライフスタイルを目のあたりにし刺激を受けたのだとか。

 

高校生であれば、親の知人の生活スタイルなんかよりも、もの珍しい観光名所や楽しいエンターテイメントがより印象に残りそうなものですが、彼は違ったんですね。

 

今や家族で海外旅行なんて特に珍しいものではないはずなのですが、彼は海外の生活をみて何かを感じるセンスがあったのでしょう。ご両親が彼に海外を見せてことで、そしてご本人が海外をみたことで、普段からなんとなく感じていた違和感を刺激に変えることができたのです。

 

(参考:思い立ったらすぐ海外)

bermuda2006.hatenadiary.jp

 

2.受けた刺激を具体的なアクションに移す行動力

 

さらに永田さんが凄いのは実際に行動に起こしているという点です。

海外では見るもの出会うものが刺激を与えてくれ、モチベーションや多くのヒントを得られることから、私も日本人ビジネスパーソにとにかく海外旅行をライフスタイルに組み入れることをお薦めしています。

ですがいくらモチベーションやアイデアを得たとしても、それを基に実際の行動に起こさなければ意味がないですし、何も変われません。

 

我々日本人は自分を変えることそのために行動を起こすことが苦手だと思います。

いつかやりたい、そのうち行動に移したい…そう考えていて時間がどんどん経過している。そんな人周りにいませんでしょうか。アナタ自身はどうでしょうか?

 

永田さんは高校卒業すら待たずにアクションに起こした。海外を見たことがその原動力になったのでしょうし、自分の力で複数カ国を放浪してみてさらにその行動力に磨きがかかっただろうことが想像できます。

 

とにかく動くことが出来た。そのことで彼は自分自身で自分の人生を掴むことができたのです。

 

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3.日本人として自然体で勝負

 

改めてご本人にお会いした印象をお話しますと、明るいながら謙虚であり礼儀正しく相手を尊重する日本人の良いイメージが詰まった若者でした。

 

「十代からひとりで海外を放浪し起業にまでこぎつけている人物」と聞くと、どうしてもトガった印象を受けませんでしょうか。普通の日本人にはない考えが強く、それ故にこの行動と結果を出すことが出来たのでは・・・と。

実際海外で成功するには、外国人と対等に渡り合えるだけの能力と実力が必要であり、日本人離れしたタフでアグレッシブな人物でないといけない?・・・そんな思いを強く持っている人は多いです。

 

永田さんは、そんな海外で成功する日本人のイメージをくつがえしてくれるような人です。

 

そうなのです。海外の社会で外国人とビジネスしていくのに、必ずしも外国人のように振舞う必要は無いのです。

 

日本の大手企業の海外駐在員の中には海外に来て外国人相手だと構えてしまっている人も多いようですが、日本人として自然に振舞えばいいのです。

 

もちろん、反対に日本の価値観をそのまま外国に持ち込んで、相手に押し付けたりするような人も居ますが、これもまた論外です。

 

現地の社会の価値観とグローバルスタンダードを両方しっかり把握したうえで、日本人として堂々と行動する。我々日本人が備えている謙虚さや相手を尊重する気持ちは外国人であっても必ず通じますし、日本人の良さとして充分アピールできるでしょう。

 

(参考:世界とコミュニケーションをとる事前準備)

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朝日新聞も認めた「ニッポンは沈みゆく船」

 

日本を代表する大手メディアである朝日新聞が平成最後の大晦日の1面で永田さんを取り上げ、世界に挑戦する日本人の若者の姿を報道したのには社会的に大きな意味があることだと思います。

 

しかし、大手全国紙の1面…もし広告を出すなら「ん~千万円」するとか聞いたことがあります。改めまして新聞の1面の持つ意味について考えましたが、そんな「顔」ともいえる新聞の威厳をかけた場所で、

日本の社会を「沈みゆく船」と表現しているのです。

 

記事には日本は2050年に経済規模でインドネシアやブラジルにも抜かれ、かつての世界ナンバー2の経済大国が凋落していく未来の姿を予言しています。これは最近のテレビ等の他のメディアの論調とは対照的な印象を受けました。

 

最近のテレビ番組では、訪日観光客の増加と共に日本の良さが見直され、世界中から愛される特別な国として「日本バンザイ」というような論調が多いですよね。それ自体はある意味事実でしょうし、特に否定する気は無いのですが、やや強調されすぎていてミスリーディングが気もしています。

 

「今の日本が素晴らしい=未来永劫日本が最高!」とは限らないのです。

 

日本がもし変わらないとしても、世界の国々はものすごい速度で変化しています。

世界における日本の立ち位置や、相対的なポジションは否が応でも変化せざるを得ません。そして様々な点で多くの国々が日本を追い抜いてくるでしょう。

これは経済規模だけの話ではありません。

現在アジアの国の中でノーベル賞受賞数では日本が圧倒的に多いのですが、将来的にはわかりません。現在のアジアの国々の若者たちのオープンな考え方、努力する姿、行動力をみているとそう思わざるを得ないのです。

 

確かに現在世界の多くの人から日本は好かれていると思いますが、決して日本だけが素晴らしいと思われている国ではないのです。拙書「外資系エグゼクティブ最強の仕事術100」でもご紹介しましたが、実際日本についての評価は変化しつつあるのです。

 

日本には良いところが沢山あり、私は世界に誇ることができる素晴らしい国だと信じています。ただし、アナタがイケメンたるには周囲の人からイケメンと認められて初めて成り立つのです。アナタだけが自分はイケメンだと信じているとしたらそれはカン違い野郎と呼ばれます。

「日本が偉いと思っているのは日本人だけ」ということが無いよう、日本という国をもっともっと世界に誇れる素晴らしい国にしていくよう我々日本人は努力していかなければいけません。そのために我々は知らないといけないのです、世界を。

 

日本だけをみて日本だけが一番という考え方は世界標準から大きく外れる。永田さんのような方はそれをしっかり感じ取っているに違いないでしょう。

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アナタも世界を見に行きましょう!

 永田さんの記事で大いに刺激を受けたアナタであっても、今すぐに会社を辞めて海外で起業…!とは、現実的になかなかならないかもしれません(笑)

永田さんほどの度胸と行動力を持てないからといって、アナタも自分自身について諦める必要は全くありません。

 

リスクを恐れていては何もできませんが、大きなリスクを取らなければ全く何も変えられないというのであれば、少しでも変えられたほうが前進できます。そのはじめの一歩を踏み出すためにまずは小さなリスクを取ることから始めてもいいのです。

 

まずは次の休みに海外を見に行くということから始めてはどうでしょうか?

今までの海外旅行とは少し違った視点を持って、是非海外をみてきてください。

永田さんのストーリーがインプットされた今、それによってアナタの中で今までの海外旅行とは違った視点が持てるはずです。

bermuda2006.hatenadiary.jp

 

 

参考記事:朝日新聞(有料会員用)

www.asahi.com