外資系2.0という生き方

世界に貢献できる日本人ビジネスパーソンのつくりかた

日本企業 vs. 外資系企業【コロナ対応】3

※オフィシャルブログ移行期間中

外資系2.0という生き方 – 世界に貢献できる日本人ビジネスパーソンのつくりかた

 

新型コロナウイルスの影響で見えてきた日本企業と外資系企業の対応の違い3

 

「いわゆる外資系企業」が新型ウイルスの対策としてリモートワーク体制をいち早く導入できた背景は、そもそもそれを可能とするオフィスインフラが既に整っていたということがあります。

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日系企業新型コロナウイルスの対応で、急いで整えないといけなかったリモートワークのためのインフラは、多くの外資系企業では既に日常的に使用していたものだったので、スムーズに移行できたと言えます。

 

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日系企業外資系企業のリモートワーク体制確立経緯においては、もっと根本的な違いがあります。

外資系企業が別の明確な目的を実現するための手段として以前から整備していたのに対して、今回の日本企業の対応は急遽実現しなくてはいけなくなったリモートワークの体制確立自体が目的とならざるを得ない状況だったことです。

 

 

外資系企業がリモートワーク体制を確立できていた背景

 

では多くの外資系企業がリモートワークの実現により達成したかった目的とは改めて何だったのでしょうか?

 それは個人のライフスタイルに合わせた働き方の実現を通して組織の生産性を上げるためです。そのためのスムーズなコミュニケーションの実現に必要なインフラを整備していたというわけです。

 

前回お伝えしたように、同じ部署のチームメイト同士が違うロケーションで仕事しているということがあります。それどころか他の国であることさえあります。同じ部署でなくても、企業という組織内で国という単位でロケーションが離れている相手との定期的なコミュニケーションが日常的にあるということなのです。それを実現させるため、更にスムーズにするため社内インフラを整えてきたといえます。それはすなわち組織内での横のつながりが確立されているということです。

 

外資系企業の上層部マネージャーは当然複数の市場・国のオペレーションを管理する立場にあります。

 

この国をまたいだコミュニケーションと情報共有こそが今回のような危機管理に役立っていて、対応がよりスムーズだったのではと思えます。

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対応の差はどこにあったのか? 

複数の国の責任を持たないといけないマネージャーの立場からすると、当然それぞれの国の部下と頻繁に連絡を取ることになります。

このことが、外資系と日系企業で、今回の新型コロナウイルス感染拡大に対しての対応に差が出た要因のような気がします。

 

聞いている範囲では、日本国内の多くの外資系企業では行政の指示勧告を受けるよりもかなり早く、自主的に社員に在宅勤務を指示していたようです。リモートワークインフラが既に整備されていたことに加え、先行して素早い対応ができた理由は、海外で起こっていることを対岸の火事ととらえていなかったことが挙げられるのかもしれません。

一般レベルではどうしても海外のニュースを他人事と思ってしまうことがあるのではと思います。日本企業でも、巨大組織では同じ社内であっても海外となると、同期が赴任しているなどでも無ければ社内ネットワークが無いということ多いと思います。

一方外資系企業のような横のつながりが強い組織では、日々連絡を取り合う身近な人が海外にいますのでより自分に近いこととして捉えられます。複数の国をまたいで責任を持つ上層部マネージャーにおいてはなおさらです。各国の政府や自治体よりも先に対応を取っていた企業が多かったのも納得できます。

 

 個人として何を学ぶのか?

これは個人にも応用できるのではと思います。

 

すなわち海外に知人が多ければ多いほど世界各地で起こっていることが遠い外国の話では無く、よりリアルに感じられるということです。

私の知人の中でも、今回の新型コロナウイルス影響拡大について、どちらかというと外資系企業の知人のほうが早くから危機感を持ってて、海外で起こっていることは日本でも起こり得ることとして自分なりに考えて準備している人が多かった気がします。

先に感染被害が広がっていた中国の例をみて、そこで不足していたマスクや、買占めの動きが見られていたトイレットペーパー等は、少し備蓄しておくということを1月の段階で進めていました。

その後日本ではテレビでの報道によってイッキに人が動いてスーパーで一部の商品が品薄になったりしていましたが、テレビの報道よりも先に自分で情報を収集し、判断し、動けていた人もいたわけです。その多くは外国語で自分の知り合い等の話を聞いていたことが挙げられそうです。

(拙書でも外資系エグゼクティブ達の海外の同僚からの情報収集術についてお伝えしておりました)

 会社という組織も個人としても、今のような状況の時は海外にネットワークを持ち外国語で情報収集をしながら対応を考えるということが大事なのだと思いました。

 

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