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旅行者を悩ませる悪質タクシー撃退法!アラブ圏での経験より【前編:Round1交渉戦略立案】

アナタが旅行や出張で海外に行く際、場所によってはとにかく面倒なのはタクシー運転手との料金交渉ではないでしょうか?

 

地下鉄等の公共交通機関が発達している場所だったり、UBER等のライドシェアが使える都市であればともかく、それらさえ使えないとなると、タクシー運転手も強気で旅行客をぼったくろうとするような街もまだまだ少なくありません。

ましてや、中東や北アフリカのアラブ地域では交渉の文化も根強く、長いフライトの後疲れたカラダとアタマでもう一戦交えないといけないことになりますよね~。これは大変なことでありついつい妥協しがちです。また、ぼったくられて少し高くついても安全に移動できたのであればよしとしないといけないような場合もあります。海外では特に「安全第一」ですから。

 

この度北アフリカのアラブ圏で、深夜の空港で悪質タクシーを利用せざるを得なかった体験を元に、安全にかつ、ボラれないような交渉についてお伝えします。

 

相手は悪名高きぼったくりタクシー会社!私がどう戦ったのか(笑)

  • 海外特に交渉文化のアラブ地域での交渉方法
  • 海外で安全に旅をして自分の身と権利を守る方法
  • 海外でのリスク管理手段としての高級ホテル・上級会員の活用法

そして今回のポイントは・・・ホテルの上級会員というVIP顧客だったことで身を救われました!

今後アナタが海外の都市を安全に嫌な思いをすることなく移動するための参考にしていただければ幸いです。

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舞台はアラブ圏のチュニジア

今回の宿泊は北アフリカの大都市チュニジアチュニスでした。この地域を代表する主要都市ですが、空港から市街地への移動手段はバスかタクシーなのですが、深夜ですとバスが無くタクシー1択となります。

ましてや今回は近隣都市からチュニジア入りし、フライトが遅れたため深夜12時を過ぎていて、事前にホテルに送迎を頼む時間も無く、到着ロビー出口で待ち構えている白色のメーターが無いタクシー会社と面倒な交渉を覚悟せざるを得ませんでした。

Round 1:戦略立案
Round 2:いざ交渉
Round 3:結論

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Round1:戦略立案~交渉戦略を考える

交渉戦略を立てる時の手順は自分の中でテンプレートがありますが、今回はやや簡素化した以下のとおりでした。想定していなかったフライト遅延等いくつかの要因もありまた時間もありませんでしたので…。

 

①状況把握 > ②情報収集 > ③ゴール設定 > ④交渉戦略立案

 

① 状況把握
自分の置かれた状況としては以下のとおりです。
・想定以上にフライトの到着が遅れたこと
・仕事と遅延の疲れにより体力と気力がやや奪われている
・出張途中の移動であり身軽である(カバンという手荷物のみ)

この状況の意味するところは、通常のタクシーではなくいわゆる白タクのような会社のサービスを利用しないといけないということでした。

チュニジアのタクシーは悪名が高く、メーターを動かしてくれるタクシーが少ないのです。またぼったくりタクシーが多発しているのも事実。チュニジアは何度も訪れていましたのでそのへんは理解しており、到着ロビーのタクシー乗り場ではなく、出発ゲートで空港に到着した乗客を降ろしたばかりの黄色のメーター付タクシーを選んで拾うようにしていました。実際これですとメーターをしっかり使ってくれるタクシーに当たる確率が高いのです。

しかし今回は近隣都市からチュニジア入りし、フライトが遅れたため深夜12時を過ぎています。上記の方法が使えないので、到着ロビー出口で待ち構えている白色のメーターが無いタクシー会社と面倒な交渉を覚悟せざるを得ませんでした。

つまり安全で相場通りの安価な移動手段という選択肢はあまりなく、ある程度ガラの悪い会社のぼったくりに近いサービスを利用しないといけないということです。

一方でポジティブな点としては、自身が身軽であるということに気づきました。大きなスーツケースを引っ張っているとなかなか身動きがとりづらいですが、今回は一度チュニジアに入国してから近隣国を日帰りで動いていた帰りでした。手荷物はカバンひとつであり、イザとなればひとりでダッシュすることもできるほど身軽ということです。当然ながら自身の安全を第一に考えないといけない状況においては、それだけで気分も軽いのです。

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② 情報収集

というところで改めて情報収集です。
上記のようなチュニス空港のタクシーの拾い方は既に経験済みでしたし、通常の黄色いメーター付タクシーであれば相場も分かっていました。改めてタクシー相場についての情報収集スマホで行ってみたところ、だいたい以下のようなところでした。

・市街地(ホテル)までは通常のメータータクシーであれば5~7ディナール程度
・メーターを使わないドライバーがふっかけてきてもまあ10ディナールといったところ
・深夜料金というものが明確には無いが、それでもそれを理由にふっかけてくるドライバーもいる
・白色のタクシーであれば最初から倍以上の値段を吹っかけてくる可能性も(20ディナール程度?)

 ※当時1ディナール=40円(10ディナールは400円程度でした)

 

自分のアタマの中にある程度入っている情報以上の目新しいものは短時間では得られませんでしたが、改めて相場観について理解しました。

また、安全面についても再度確認しました。既にこの街はある程度知っているとはいえ、深夜にタクシーを空港から拾うという状況は初めてだったからです。

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③ ゴール設定

空港から10分程度のタクシーですので、よく昼間にドライバーがふっかける時に提示してくる10ディナールを払うことにしました。
これを上限にゴール設定します。つまりこの金額で行けるように交渉すると。

正直それでも400円程度です。収集した情報によるとどんなにぼったくられても日本円で1000円程度ということなので、例えば安全性を考慮して20~30ディナール(1000円程度)で手を打ったという例もあるようです。ただ私としてはそれは相場の4~5倍ということもあり、今後の他の旅行者のことも考慮して(笑)ひとまずゴール設定について上記のとおり決めました。

何度か「交渉術」でお伝えしていますが、このゴール設定が非常に重要です。これがないと交渉しているウチにどんどん軸がぶれて相手の言う通りとなってしまいます。正しい情報収集のうえでしっかりとしたゴールを設定しておく必要があるのです。

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④ 戦略

ではこの10ディナールだけ払ってホテルまで行くというゴールを実現させる方法をどうしましょうか・・・ということですが、手元にちょうど10ディナール札があり、現地通貨ではこれが今持っている全てのお金でした。

もちろん空港で両替もできますし、ATMで現地通貨をもっと引き出すことも可能ですが、今回はあえてこれだけを所持していくことにしました。

つまり「これだけしか手持ちがないからこの金額でお願い」と伝える交渉にするのです。

もちろんホテルにもATMはありますし、イザとなったらなんとかなりますが、自分としてもこれ以上現地通貨は必要ないので使い切りできればいいかなと思いました。

 

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ということで準備は完了。上記一連の流れを、空港到着~入国審査等の間にスマホと自分のアタマの中でササっと行うわけです。
戦略策定といっても移動中に素早くできるようになっておくと様々なトラブル回避することができるのです。ここで一番大切なことは、やはりしっかりとした「ゴール」のイメージづくりということになります。

 


ということでタクシー乗り場に向かい、交渉のスタートです。

その結果はどうだったのでしょうか?

 

ここまでしっかり戦略を立てていましたが・・・やはり予想外のことは起こります
ホントに海外ではおどろくことがおこりますね~
(明日に続く)