最新版「理想の上司」にアナタはどれくらい当てはまる?
若手日本人テニス選手として急進中の大坂なおみ選手…彼女の躍進を支えるコーチサーシャ・ベイジン氏に、新時代の上司の姿をみました!
「理想の上司像」は時代と共に変化していきますが、今外資系企業・グローバル企業で求められる理想の上司像も明確に変化しつつあります。
どんな上司が理想だと言われているのでしょうか。
サーシャ・ベイジン氏は1984年ドイツ出身のセルビア人元テニス選手だそうです。
コーチとしても、過去にはセリーナ・ウィリアムズ選手を含むランキング上位選手のコーチを担ってきました。
最近の大阪なおみ選手が、BNPパリバオープンで優勝するなどの大躍進を支えた、もはや名コーチと言ってもいい人物になりつつありますね。
依然彼女の試合中のコーチとのやり取りをみて気が付きました…。
「部下世代」はある意味素直
私も知らなかったのですが、テニス中継では休憩中のベンチの様子を映すことがあります。スポーツ選手は全員闘志むきだしなのかと思いきや、女子選手は特にそうなのでしょうか…そうでもないのです。
明るく前向きなキャラの印象のある大坂なおみ選手の口からでた発言は、いわゆる「泣き言」とも取れるものでした…。
今日は調子が悪い
気分が乗らない
こんな状態で勝てっこない
もう嫌だ帰りたい…
なんとも素直な発言が飛び出しました(良いキャラに思えて好印象でしたが)。フルで彼女の試合を観たのが初めてでしたので、いつもとどう違うのか分かりませんが、私にとっては驚きでした!
さらに驚いたのは、対戦相手の選手も同じようにネガティブな言葉を次々に口にするのです…!
大阪選手も相手の選手も20代の若手選手でした。。う~ん、一概にはもちろん言えませんが、最近の若手は上の世代からしてみると「根性が無い」などと言われますよね。本当にそうなのかどうかは置いておいて、上の世代の人よりは素直に弱音を吐く人が多いような気がします(?)でもそれが今の若手の特徴であるなら、それにどう接していくかが上司の仕事になりますよね。
(写真:World Sports News より)
選手(部下)のモチベーションをコントロール!
さて、そんな気弱な発言をしていた大阪選手に対して、サーシャ・ベイジン コーチの驚きの対応とは…?
私は当初、ボクサーに対するセコンドのように選手を鼓舞するのかと思っていました。「甘いことを言うな、立て!前をみろ!」と…(笑)
ところが彼は注意深く彼女の発言に耳を傾けます。先ずは聞き役に回り…そして静かに諭し「そんなことは無いサーブの切れはいいじゃないか、そこから糸口を掴んでいけるはずだよ」と、そして徐々に対話の方向性を前向きに持っていき「君なら出来る」と締めくくり背中を押しました。
コーチと話しながら徐々に大坂選手のモチベーションが見事に上がっていくのがわかりました。これはすごいなと!
その後興味を持って、二人のツイッターなどをチェックしていると普段から仲が良く、お互いの信頼がわかります。どうやら大阪選手は、彼のメンタル面でのアドバイスにかなり頼っていることがわかりました。
だから遠慮なく、素直な意見をぶつけられる。その後のアドバイスも素直に聞くことができるのでしょう。
「サーバント・リーダーシップ」を垣間見た
サーシャ・ベイジン コーチのその他の動きをみていて、徹底的に選手に寄り添い、ただ聞き役に回るのではなく、的確な指摘やアドバイスができる人なのだと思いました。
まさに大阪選手を70位から10位台に押し上げた大役者ですね!
驚いたのが米国の新聞記事で彼について書かれていた記事を読んだ時でした。セリーナ・ウイリアムズ選手のコーチをつとめていた時には、選手へのアプローチが全くことなり、より選手の意見を尊重するためあえてあまり口出さない方針だったようです。それでいて選手との関係も良好でやはり大きな信頼を得ていたともいいます。
自身のスタイルよりも、相手のことを第一に考え、それに合わせた対応をする、しっかりサポートをする姿勢は、最近再度言われるようになってきた「サーバント・リーダーシップ」の考え方を思い出しました。
サーバント・リーダーシップとは、リーダーである上司は一方的に部下を引っ張るのではなく、むしろ部下をケアしモチベートしサポートする「サーバント(召使い)」であれという考え方です。必ず新しくもない考え方ですが、最近のインターネット世代の若手が台頭してきつつある米国等では再度注目が集まっています。
俺についてこい!だけでもなく、単に優しくて緩いだけでもなく、しっかり部下の声に耳を傾け的確なアドバイスと共に導くことができる、そんなリーダーのことを指します。
(画像:You Tube より)
もちろん選手とコーチの関係は、上司と部下のそれとは違います。ですが、サーシャ・ベイジン コーチの選手に対する姿勢とその成果をみていると、むしろこれが真の「サーバント・リーダーシップ」の姿ではなかろうかと思いました。
大阪選手の活躍と共に注目したい人物です。