外資系2.0という生き方

世界に貢献できる日本人ビジネスパーソンのつくりかた

元阪神タイガース・マット・マートン氏から学ぶ異国で尊敬される方法 Part.2

昨日ふと関西在住の友人との会話から、かつて阪神タイガースで大活躍した「マット・マートン氏(マートンさんと呼ぼう)」について思い出したというエピソードをご紹介しました。

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スポニチより)

現役選手だった時代はメジャーと日本のプロ野球で華々しい活躍と記録を残し、現在は選手は引退して、米国に帰国し、2018年より古巣カブスの一員として裏でチープのオペレーションを支える存在として今も活躍されています。

そして前回の記事でお届けした、マートンさんの副業ともいえる活動。こちらには、異文化の外国で好かれる要素がたくさんあり、海外で外国人と一緒に仕事をしていく日本人ビジネスパーソンのアナタにも参考になる要素が沢山あります。

今回はそんなマートンさんの活動を少し深くみていきましょう。

 

マートンさんの情報発信

前回ご紹介したのがこちらのネット記事です。

clip.narinari.com

彼はメジャーリーグでの仕事の傍ら「アンバサダー」として、YouTubeTwitter をはじめとするソーシャルプラとフォームにて日本の芸術・文化・地方の様子等を発信していく活動をしているのです。

特にファンからの反応がいいのが「日本のプロ野球NPB)」についての発信。YouTube では日本のプロ野球で活躍した外国人選手を集めて「バーチャル円陣」という形でのトークショーを展開したり、Twitter では日本プロ野球の現役・元 選手等のツイートを英語でリツイートするなど。恐らく珍しいと思われる「英語によるNPBの情報発信」という、ニッチかもしれませんが、貴重なメディアとなっているようです。

www.youtube.com

最近徐々に日本語で韓国や台湾のプロ野球を紹介するメディアや、SNSで情報発信する個人が増えてきた印象があり、ロングテールが可能なソーシャルメディア時代のコンテンツだと感じていましたが、マートンさんほどの人が世界の共通言語英語でNPBを発信してくれればそれなりの影響力を持つメディアとなる可能性がありますね。

そしてその彼の発信から彼がいかに「日本を、関西を、日本のプロ野球を愛しているのか」が伝わってきます。そして…彼のそんな活動は日本のファンにもかなり好意的に受け入れられていて、相変わらず日本で彼は愛されているようです。

ホントにマートンさんステキです!

そんなマートンさんの活動は我々日本人ビジネスパーソンの海外での態度・行動にもヒントを与えてくれそうです。

 

マートンさんの活動からみる日本人が海外で受け入れられる方法

マートンさんの日本についての情報発信についての姿勢について気づいたのは以下の点です。

  1. ファンを大事にする
  2. 相手(対象)のことを全肯定
  3. 自分の言葉で語る
  4. 同じ意識の仲間を巻き込む
  5. 学ぶ姿勢

これらの多くはどうやら今の活動だけでなく、現役時代からそうだったようです。過去の彼についての記事を探すと、それを思わせるエピソードが沢山出て来ます。

1.ファンを大事に

これは当然のことかもしれませんね。その意識が彼を動かす原点でしょう。

我々日本人ビジネスパーソンに例えるなら、海外のビジネス関係の相手のことを大事にするというコトに繋がります。

例えば、アナタが海外出張に行くとき、嫌々行っている仕事、ホントは行きたくなく、好きでもない場所に行く時…意外と相手には伝わっているものです。

仕事で仕方なくいかないといけない場合でも海外の仕事の相手先については、ビジネス上大事な相手なはずです。行きたくない仕事の出張でも、改めて一度立ち止まり、相手がビジネス上いかに大事な存在であるか、尊敬すべき相手であるかを認識してみましょう。一度頭で理解すれば、自然に態度に出ますので、相手にもきっと伝わります。その後のビジネス上のコミュニケーシが全く違ったものになるでしょう。

2. 相手(対象)のことを全肯定

マートンさんの発信をみていると本当に日本が大好きなんだな~と思われるほど、日本好き感を前面に出してくれてます。もちろんそれがアンバサダーの仕事だと言えばそのとのおりですが、この姿勢は本当に参考になります。

つまり仕事で海外に行ったりやり取りしたりいなければいけないとなった時、無理矢理にでもその国やその国の人のことを好きになる努力をするといいのです。仕事で海外と関わると、日本との違いも気になり戸惑ったり苛立たしい思いをすることもあるでしょう。比較する視点や、冷静に見る視点はもちろん必要ですが、少なくとも滞在中や相手と接している時は盲目的にでも好きになっちゃいましょう。

好意的な気持ちが相手に伝われば相手から引き出せるものが違ってきます。

3.自分の言葉で語る

意外と日本人が苦手な点ですね。特に相手は外国人で、外国語で話すとなると、慣れてない人はどこかで聞いたような話をしがちです(自分の部下にも居ました)自分はどう思うのか、どう感じているのかを自分の言葉で語ることは、外国でのコミュニケーシは特に重要になります。

マートンさんの日本の野球や事情についてのコメントは正直であり、彼のフィルターを通っていることで情報としても価値が出てます。彼の発信した情報を受け取った、海外や日本のファンが好意的に受け止めている理由もよくわかります。

4.同じ意識の仲間を巻き込む

先にご紹介したYouTubeの「バーチャル円陣」は面白いですね。NPBの球団に所属している外国人選手との対談なわけですが、他の選手もマートンさんのこの考えに賛同している様子がすごくよく伝わってきます。

かつての外国人選手のなかには「日本は出稼ぎの場所」と割り切った選手も結構いたそうでして、チームの他の選手との交流も少なく、別行動別メニューというケースもあったようです。今は日本人選手もメジャーをはじめ海外でも活躍してますし、世界的にダイバーシティの流れもありますので時代は変わってきているのでしょう。

それでもマートンさんの活動は、今の外国人選手のNPBとそこでプレーすることについての思いを浮かび上がらせてくれます。そしてマートンさんの好感度も上がると…(笑)

私も海外で現地のビジネスパーソンとの会食の場等では「友人から素晴らしい街だと聞いてきた」「この街に仕事で行くと言ったら同僚が羨ましがった」等、他の人の意見を共有するということをよくやったりもします。

5.学ぶ姿勢

最後にもうひとつ。彼は日本での活動期間がそれなりに長かったですし、普通の日本人よりも濃い時間を過ごしたのではと思われますが、それでも現在のNPBの状況や、過去に遠征試合で訪れた地方都市の今の状況を調べているようです。

過去のエピソードでは、人前でガムを噛んだり、フルーツを食べた後の楊枝をそのまま口に加えていたら「それは無礼な行為だ」と言われて、日本人の礼儀を学んだと言ったことがあったそうです。学んだことはいちいちメモを取り、吸収していたそうです。

海外の人と接すると日本とのギャップから様々な気づきがありますが、それらをしっかりと学びとして吸収する姿勢は持っておきたいですね。

 

さて如何でしたでしょうか?

マートンさんの発信を観て、なぜか込み上げてきた「嬉しい想い」がありました。特にタイガースファンでもない私が(笑)ここまで好感を持った理由を私なりに検証し、反対の立場で外国人として海外に行った場合等に応用できないか考えてみました。

これからも彼の活動は気になりますね。またお届けしたいと思います。