外資系2.0という生き方

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東京オリンピック運営の参考例その1 フォーミュラEの驚きの運営方法

さて今週末は、緊急事態宣言緩和から、県をまたいでの移動についても制限解除、さらにはプロ野球開幕をはじめ世界中でプロスポーツが徐々に再開されるなど経済活動再開が印象的でした。

昨日から「フォーミュラE」の話題をお届けしていますが、モータースポーツ界には日本人の女性ドライバー超新星が誕生したという嬉しいニュースも!

(元F1ドライバー野田秀樹氏のお嬢さんで日本の女性ドライバーJuju(野田樹潤)選手がデビュー戦であるヨーロッパF4で優勝を飾る快挙を成し遂げたのです)

14歳の日本人女性ドライバー“Juju”が、デンマークF4でいきなりデビューウィンを達成!!

一方で世界のウイルス感染状況は未だ予断を許しません。というのが、まだまだ年内のイベント中止のニュースが相次いでいるからです。気がかりなのは、1年延期となった東京オリンピック2020が来年開催できるのか、どのような方法での開催が現実的なのかです。

それについて、世界的モータースポーツイベントである「フォーミュラE」が驚く方法で開催を決定したため、(オリンピック開催に向けてどこまで現実的かはともかく…)考察してみようということです。

 

bermuda2006.hatenadiary.jp

 

フォーミュラE開催実現までの課題

さて昨日のブログ記事の振返りですが、フォーミュラEの主催団体がシーズンの再開と終了に向けて実現させたいと考えていたのは主に以下の3点でした。

  1. 衛生面に配慮した安全な開催
  2. シーズンを終了させチャンピオンを決定したい
  3. 「世界選手権」としてシリーズを成立させる

上記3つの目標実現の課題となっていたのは以下の点です。

  • 残り6レースの開催
  • 欧州・中東アジア・米州の3地域でのイベント開催
  • 衛生面に配慮して感染者を出さないようにしないといけない
  • フォーミュラEの売りである「市街地コース」での実現

昨日のブログ記事に詳しくお伝えしていますが、とにかくハードルが高く、ちょっと実現の目途が立たないのではと考えていました。ところが…遂に2020年シーズンの再開を発表したのです。いや、再開というより、途中まで進めていた今シーズンを完遂させるプランを発表したと言っていいでしょ。そして、シーズン終了の方法が大胆かつ驚きでした!

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フォーミュラEの驚きの運営方法とは?

さてこれらの課題を全て克服し、3つの目標を実現させるためフォーミュラEが発表したシーズン再開プランはこちらです。

残りのシーズン6レースを9日間でまとめて開催

開催場所はドイツ・ベルリンの旧空港周辺特設サーキット

 

9日間で6回のレース開催!?

今までもひとつの会場で(例えば昨シーズンの最終ラウンドNYC)2日間連続で2レース行うダブルヘッダー方式という前例はありました。

今回は、ダブルヘッダーx3回!間に1日づつ休みを挟んで9日間で開催!

モータースポーツの世界には24時間耐久レースなどの過酷なものはありますが、ある意味こちらも過去に前例がないほど過酷な9日間となりそうです。

 

開催場所はベルリンの旧空港サーキット

こちらはもともと第11ラウンドの会場として予定されていたドイツ・ベルリンのテンペルホープ空港です。空港自体は既に閉鎖されて使われていない施設にサーキットを特別に設計してレースを開催するというものです。

 

ここでの開催であれば、フォーミュラEの売りである「市街地コース」を作成することができます。そして街のど真ん中でもないので、人が常時集まる場でもなく、サーキットコース設営に住民の日常生活に影響がでることもありません。ドイツは世界的にみてもコロナウイルス感染拡大を抑制している国としても評価があります。

また、ヨーロッパでの開催ということになりますので、中東アジア(サウジアラビア、モロッコ)米州エリア(チリ、メキシコ)での開催は既に完了しているため、3地域での開催実績をもって「正解選手権」としてのシーズン完遂となるのです。

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課題を全て克服しての再開!無事に終了となるのか!

という具合に…苦肉の策といいますか、半ば強引に再開とシーズン完了計画を発表したフォーミュラE主催団体ですが・・・当然この計画は賛否両論です。

強引ともとれる強硬プランは、ドライバーやチームの負担が大きいのでは?とも言われております。ファンも「エキサイティングな9日間になる」と歓迎する声がある一方で、同じ場所で6レースを行うことをエンターテインメントとして疑問視する声もあります。

www.fiaformulae.com

いずれにせよ、多くのプロスポーツが継続方法を模索する中で、大胆なプランを発表し実現しようとしている「フォーミュラE」物議を醸しだしている9日間は8月5日に始まります。通常ですと公式YouTubeサイトで無料でレースを観戦できます。

東京オリンピックの運営の直接の参考にはならないかもしれませんが、このような形でシーズンを完了させようとしているプロスポーツ・イベントの成否は注目されます。